【解説】偽造マイナンバーカードでロレックス購入のカラクリ!

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ゴールデンウィーク後半に偽造マイナンバーカードを使った詐欺被害の報道がありました。

偽造マイナンバーカードを使い、他人の携帯電話を乗っ取りロレックスの購入等、合計300万円以上の被害が発生した事件です。

ゴールデンウィークも後半に突入する5月2日夜23時30分、「X」に投稿されたポストが注目を集めた。

《【犯罪に要注意】本日、私が巻き込まれた犯罪について知っていただき、皆様もご注意いただきますことを切に願います。》

 投稿はその後、偽造されたマイナンバーカードを身分証にされ、ソフトバンクの携帯を勝手に機種変され、225万円のロレックスの腕時計を購入されるまでの被害の訴えが続く。インプレッション数は260万超。被害にあったのは、大阪府八尾市の松田のりゆき市議だ。

smart-flash.jp

なぜ「こんな事が起こってしまったのか?」「自分も同じ被害にあう可能性があるのか?」そう不安に思っている人も多いと思います。

今回は、なぜ偽造マイナンバーカードで被害が発生したか? 被害にあわないためにはどうしたらよいのかを、分かり易くまとめていきます。

目次

偽造マイナンバーカードを使用した不正利用の手口

携帯電話が乗っ取られる

最近、偽造マイナンバーカードを使ったSIMスワップ詐欺が増加しています。これは個人の携帯電話が乗っ取られ、その結果、個人情報が盗まれたり大金が不正に使われる事件です。

SIMスワップ詐欺は、携帯電話のSIMカードの契約を不正に奪い、電話番号や関連サービスを乗っ取る手法です。これにより、電話番号への全ての通信が犯罪者の手に渡るため、二段階認証などのセキュリティ手段を突破することが可能になります。

SIMスワップの手口

SIMスワップの手口は非常に巧妙です。犯罪者は以下のステップで操作を行います。

  1. 個人情報の収集:公的な情報源やソーシャルメディアからターゲットの個人情報を収集します。
  2. 偽造身分証の作成:収集した情報をもとにマイナンバーカードなどの身分証を偽造します。
  3. 携帯電話会社に連絡:偽造した身分証を使って携帯電話会社に連絡し、SIMカードを交換するよう依頼します。
  4. アカウントの乗っ取り:新しいSIMカードを手に入れたら、被害者の携帯電話番号に紐づく全てのオンラインアカウント(銀行、SNSなど)のパスワードをリセットします。

これにより犯罪者は被害者になりすまして、金銭的な被害や、さらなる個人情報の搾取を行うことができます。

大阪府八尾市の松田のりゆき市議の場合

松田のりゆき市議がロレックスを購入される等、300万円以上の被害にあったケースも同様です。

マイナンバーカードを偽造し、それを証明書としてSIMカードの再発行をおこない、携帯電話が乗っ取られて被害にあっています。

松田のりゆき市議の場合は、議員なので電話番号や住所がネットで公開されており、ターゲットにされやすかったという背景もあります。また、SIMカード交換で本人確認を行う際、マイナンバーカードを目視で確認していたことも大きな原因です。

こういった個人情報は、意図してネットに公開していなくても、企業からの流出やフィッシング詐欺等で流出してしまう危険は多々あります。私を含め、一般人にとっても決して他人事ではありません。

マイナンバーカードの偽造は簡単にできるのか?

jiji.com

マイナンバーカードの偽造が相次いでいる。

結論から言うと、残念ながらマイナンバーカードの偽造は容易です。

先日もマイナンバーカードを偽造していた中国人が警察に摘発されました。

マイナンバーカードの偽造が相次いで発覚している。不正対策による「信用」で本人確認時のチェックが甘くなり、悪用につながっているとみられ、SNSでは1万~2万円で流通しているという。中国籍の被告が取材に応じ、偽造の実態を証言した。

「作業は簡単で準備や技術は要らない。5分もあれば1枚作れる」。マイナカードを偽造したとして、警視庁に昨年12月、有印公文書偽造容疑などで逮捕された中国籍の女(27)は東京拘置所でそう語った。

yomiuri.co.jp(要約)

記事によると、偽造は偽のICチップが埋め込まれた白いカードに、個人情報を印刷するだけの手順だという。

専門的な知識も技術も不要で、簡単に偽造する事の出来る手順が確立されている状態であり、多い日には60枚以上のカードを偽造していた。日当は約1万2000~1万6000円だったという。

マイナンバーカードの偽造は組織的におこなわれており、今回逮捕された中国人も末端の作業員の一人でしかない。今もなお偽造カードは増え続けていると思われる。

運転免許証は大丈夫なの?

運転免許証も偽造されやすい文書であり、マイナンバーカードと同様に、本人確認書類として広く使われているため、偽造されるリスクは常に存在します。が、​運転免許証の偽造については、特に増加傾向にあるという明確な報道は見られません。

古くからある運転免許証と違い、今まさに普及中のマイナンバーカードがターゲットにされていると推測できます。また偽造が容易であるというのも一因と思われます。

対策と防止方法

個人にできること

SIMスワップ詐欺に関しては、残念ながら個人で完全に対策することは難しい状況にあります。

少しでもSIMスワップ詐欺にあう可能性を下げるには、以下の対策が考えられます。

  • 見知らぬメールのリンクをクリックしない(フィッシング詐欺による個人情報の流出)
  • パスワード同じものにしない。
  • 携帯のアンテナマークが出なくなった場合に、SIMスワップ詐欺を疑い、携帯会社等に確認を行う。
  • 安全な対策ができるまで、マイナンバーカードを作らない。(返納する)

企業にできること

携帯電話会社にはSIMカードの不正な変更や契約の乗っ取りを防ぐために、本人確認プロセスを一層厳格にする責任があります。具体的には、以下のような措置を講じることが考えられます。

  • 本人確認書類の二重チェック:契約時に提出される身分証明書の真偽を確認するため、複数の方法で本人確認を行う。
  • セキュリティ質問の導入:契約者本人であることを確認するために、個人的な質問を設定し、その回答を求める。
  • 従業員のセキュリティ教育:従業員が顧客の個人情報を守る方法を理解し、適切に対応できるよう教育する。

これから対応すべきこと

偽造マイナンバーカードの被害を防ぐためには、本人確認の方法を見直し、より確実なシステムの導入が求められます。これには、以下のような措置が考えられます。

  • 生体認証技術の利用:指紋や顔認証など、個人の生体情報を利用した認証システムの導入。
  • デジタルIDの活用:デジタルIDを用いた本人確認システムを展開し、偽造が困難な技術を採用する。
  • 公的機関との連携強化:警察や金融機関など、他の公的機関と連携し、不正行為の早期発見と対応を図る。

偽造マイナンバーカードのまとめ

今回は偽造マイナンバーカードとその不正利用について見てきました。ここで、重要なポイントを簡単にまとめます。

  • 偽造マイナンバーカードは偽造が容易である。
  • SIMスワップが一般的な手口である。
  • 個人も企業も警戒が必要である。

常に情報の更新とセキュリティの強化に努めることが、偽造マイナンバーカードによる被害を防ぐ鍵となります。自己防衛だけでなく、関連するすべての人々が協力し合うことが重要です。

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